配管の熱伸縮対策はどうする?伸びの計算から継手の選定・保温割れを防ぐコツまで

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皆さんこんにちは。

栃木県足利市を拠点に、保温保冷工事や保温板金工事を手掛ける藤倉保温工業です。


高温の流体を扱う配管設備の設計やメンテナンスを行う際に、「熱による配管の伸縮をどう逃がせばいいのか」「伸縮継手はどのように選定すればいいのか」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。


配管の熱応力を適切に処理しなければ配管の割れや設備の重大な破損につながりますが、材質ごとの正確な伸縮量の計算方法と対処法を知ることで、トラブルを未然に防ぐ安全な設計が可能です。


この記事では、熱伸縮対策を検討している実務者に向けて、配管の伸びを吸収する具体的な対策方法から、必要な計算手順、管種別ごとの伸縮継手の設置基準までを分かりやすく解説します。


設備の安全性と長寿命化を目指す設計者や施工管理者はもちろん、現場で配管や保温工事に関わる方にもわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。


■熱による伸びを吸収する対策



プラントや空調設備において、配管は内部を通る流体の温度変化によって膨張し、長さが変わります。この熱伸縮を適切に処理せずに両端を強固に固定すると、逃げ場を失った熱応力(変形しようとする力)が集中し、パイプの破損や設備の重大なトラブルを引き起こします。


・配管経路の工夫で吸収

一つ目の対策は、配管のルート自体に柔軟性を持たせて伸びを吸収する方法です。直線距離で配管をつなぐのではなく、意図的にL字型やコの字型に迂回させることで、配管自体のたわみを利用して熱応力を逃がします。


現場では3エルボや立体ループ配管と呼ばれることもあります。たとえば、上階から下階へ配管を下ろす際、まっすぐ落とすのではなく途中で曲がり角を複数設けてクッションの役割を持たせます。


材質や温度差によって数mmから数十mmの伸縮が発生するため、許容できる応力の範囲に収まるよう、必要な配管の長さを正確に計算して設計することが不可欠です。


・伸縮継手で伸びを吸収

二つ目の対策は、専用の製品である伸縮継手(Expansion Joint)を配管の途中に設置する方法です。スペースの都合で配管を迂回させる経路の工夫が難しい場合や、直線距離が長く膨張量が非常に大きい場合に採用されます。


蛇腹状のベローズ型継手などが代表的で、継手自体がアコーディオンのように伸縮し、配管の伸びを直接吸収します。蒸気配管や高温の排水管など、急激な温度変化が想定される箇所で特に必要とされます。


どの程度の長さの伸びが発生するかを材質の線膨張係数から計算し、設置基準を満たす適切な製品を選定することが対策の要となります。


■対策に必要な伸縮量の計算



配管の熱応力を防ぐ対策には、温度変化でパイプが何mm伸びるのかを正確に把握する必要があります。設計時に不可欠となる各項目の具体的な算出プロセスを整理します。


・配管の伸縮計算の手順

配管の伸びる長さは、「配管の長さ」「温度差」「材質ごとの線膨張係数(1℃温度が上がった際にどれだけ伸びるかを示す割合)」の3つを掛けて計算します。


たとえば、長さ10m(10,000mm)の炭素鋼パイプ(係数:約0.000011)で、施工時と稼働時の温度差が50℃の場合、「10,000mm × 50℃ × 0.000011」で約5.5mmの伸びが生じます。この計算結果をもとに、配管を固定する位置や対策に必要な隙間を決定します。


・クッション計算の手順

直線部分の伸縮量を、配管の曲がり角(エルボ)で吸収させる場合、クッション計算が必要になります。計算せずに施工するとエルボに応力が集中し、配管割れの原因になります。計算には配管の外径や、材質の許容応力(壊れずに耐えられる力の限界値)を用います。


具体的には、先ほど求めた伸縮量を安全に吸収するために、エルボから次の固定支持点までの必要な長さを算出します。これにより、設備全体に無理な力がかからない設計が可能になります。


・蒸気配管の伸縮計算

工場の設備で使われる蒸気配管は、給湯管や排水管よりも内部温度が非常に高く、厳密な計算が必要です。100℃を超える蒸気が通る場合、熱膨張による伸びは数十mmに達することもあります。


稼働時の最高温度と停止時の最低温度の差を確実に見積もり、算出した伸び量に対して余裕を持たせた設計を行います。この結果を基準に、大規模な伸縮を処理できる適切な製品(伸縮継手など)を選定し、安全な配管経路を構築します。


■伸縮時の保温割れを防ぐ対策



配管が熱で伸び縮みすると、周囲を覆う保温材や外装材にも大きな負荷がかかります。配管本体の対策だけでなく、保温設備の破損や熱ロスを防ぐための適切な処理方法を解説します。


・保温材の逃げの確保

配管が高温になり膨張すると、密着しているグラスウールなどの保温材も一緒に引っ張られます。この力が保温材の許容できる限界を超えると、亀裂や隙間が生じてしまいます。


これを防ぐため、あらかじめパイプが伸びる方向と長さを計算し、保温材の継ぎ目部分に意図的な隙間(クリアランス)を設けておく「逃げ」の設計が必要です。


隙間部分には柔軟に形を変えて伸縮を吸収できる特殊なマットを充填する処理を行うことで、設備が動いても保温性能を維持し、熱応力による破損を防ぎます。


・板金外装の伸縮処理

保温材を雨水や衝撃から守る外装(板金)にも、伸びを逃がす対策が求められます。板金を隙間なく完全に固定してしまうと、配管の伸縮に伴って金属板が引っ張られ、ビスが抜けたり外装全体が歪んだりするトラブルに直結します。


そのため、一定の長さごとに板金を固定せず、スライドして動くように重ね合わせる手法を取り入れます。これにより、内部の配管が膨張して動いても外装がスムーズに追従し、雨水の侵入などを防ぐことができます。


■伸縮継手の管種別設置基準



製品を設置する際は、パイプの材質ごとに定められた基準を守ることが不可欠です。現場でよく使われる鋼管と塩ビ管における、正しい設置のルールと注意点を整理します。


・鋼管の設置基準

鉄やステンレスなどの鋼管は、非常に温度が高い環境で使われることが多く、適切な位置に伸縮継手を配置しないと甚大な被害につながります。設置基準では、配管を動かさないように固定する支持点の間に、原則として1つの伸縮継手を設ける設計が基本となります。


製品の能力を最大限に発揮させるため、継手のすぐ近くには配管がまっすぐ動くようガイドする案内支持金具を配置し、横方向への無駄なねじれや曲がりを防ぐ処理を施すことが定められています。


・塩ビ管の設置基準

排水設備などで多用される塩ビ管(プラスチック製のパイプ)は、金属系の材質に比べて熱で膨張しやすい性質を持ちます。


そのため、比較的低い温度変化でも大きな伸びが発生することを前提とした設計が必要です。設置基準では、鋼管よりも短い直線距離ごとに継手を設置することが推奨されます。


また、接着剤で接合するタイプの継手を使用する場合は、パイプを奥まで完全に差し込まず、あらかじめ夏の膨張や冬の収縮を見越して数mmから十数mmの隙間(飲み込み代)を空けて固定する対策が求められます。


■まとめ



配管は温度変化によって必ず伸縮するため、その変形を安全に逃がす対策が設備の寿命や安全性を大きく左右します。熱応力による配管の破損を防ぐには、材質や温度差から正確な伸びの長さを計算し、配管経路の工夫や適切な伸縮継手を選定する設計が不可欠です。


また、パイプ本体の処理だけでなく、周囲を覆う保温材や板金外装にも、配管の動きを吸収するための隙間やスライド構造を持たせることが重要になります。


蒸気配管や給排水など、設備ごとの条件や設置基準を正しく理解し、システム全体で無理なく伸縮を処理できる環境を整えて、重大なトラブルを未然に防ぎましょう。


■配管の熱伸縮対策・保温工事をご検討中なら「藤倉保温工業」にご相談ください!



有限会社藤倉保温工業は、栃木県足利市を拠点に全国の工場プラントやビル、商業施設などで「保温・保冷工事」および「板金工事」を手掛ける専門工事会社です。創業から40年以上にわたり培ってきた確かな技術力を活かし、過酷な温度変化にさらされる配管や設備を安全に守り続けています。


当社は足利市と佐野市に自社の作業場を保有しており、保温材の選定から外装用金属カバーの設計・加工、現場での施工までを一貫して行える対応力が強みです。他社では断られがちな複雑な配管経路や、焼却場・浄水場といった特殊で難易度の高い設備にも対応可能です。


専任の担当者が現地を細かく調査し、熱伸縮の影響や現場の環境要因を踏まえながら、「熱応力を逃がす構造」「隙間のない確実な断熱」「劣化を防ぐ板金仕上げ」など、設備一つひとつに合わせた最適な計画を丁寧にご提案します。


実際の施工現場でも、熱損失や結露といったトラブルを未然に防ぎ、設備の長寿命化と省エネ化を実現した事例が多く、大手企業様からも厚い信頼と高い評価をいただいております。


藤倉保温工業は自社一貫対応の強みを活かし、施工後のアフターサービスやちょっとしたご相談にも迅速に対応。経験豊富な職人と担当者が一貫してサポートするため、初めての大規模修繕や保温工事でも安心してお任せいただけます。


現地調査やご相談は随時受け付けておりますので、「うちの配管に最適な対策は?」「施工にかかる費用や工期を知りたい」など、気になる点は何でもお気軽にお聞きください。お電話やWebのお問い合わせフォームからのご相談も承っております。


あなたの大切な設備を長く安全に稼働させ、トラブルのない快適な工場環境づくりを藤倉保温工業が全力でお手伝いします。


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